この記事にたどり着いた人は小説・漫画・アニメいずれかで『勇者刑に処す』という作品に触れたことのある人でしょう。
小説版を読んでいる方は分かると思いますが、本作は物語が進むにつれ、謎が幾重にも重なっていきます。
そんな謎多き作品の中で私が今一番気になっているいるのが【裏切者の女神】。
正確には「裏切者の女神がいるのではないか?」と疑われています。
そこで今回は各聖騎士団の団長、団長と契約している女神、そして女神の中に裏切者が存在するならば誰が怪しいのかを考察していきます。
小説最新刊8巻までの物語に沿った内容となっており、ネタバレ要素が多分に含まれていますので、ご注意ください。
聖騎士団長・女神
謎に迫る前にまずは聖騎士団長と契約している女神を紹介していきます。
第一聖騎士団
| 聖騎士団長 | ルカージ・ヤンクール |
| 女神 | ? |
第二聖騎士団
| 聖騎士団長 | ? |
| 女神 | アンダウィラ《血の女神》 |
第三聖騎士団
| 騎士団長 | メーヴィカ・リージャー |
| 女神 | シーディア《予言の女神》 |
第四聖騎士団
| 騎士団長 | サベッテ・フィズバラー |
| 女神 | バフローク《嵐の女神》 |
元第五聖騎士団
| 聖騎士団長 | ザイロ・フォルバーツ |
| 女神 | セネルヴァ《城壁の女神》 |
第六聖騎士団
| 聖騎士団長 | リュフェン・カウロン |
| 女神 | ニヴレンヌ《力の女神》 |
第七聖騎士団
| 聖騎士団長 | シグリア・パーチラクト |
| 女神 | フィムリンデ《獣の女神》 |
第八聖騎士団
| 聖騎士団長 | アディフ・ツイベル |
| 女神 | ケルフローラ《影の女神》 |
第九聖騎士団
| 聖騎士団長 | ホード・クリヴィオス |
| 女神 | ペルメリィ《毒の女神》 |
第十聖騎士団
| 聖騎士団長 | グィオ・ダン・キルバ |
| 女神 | イリーナレア《鋼の女神》 |
第十一聖騎士団
| 聖騎士団長 | ビュークス・ウィンティエ |
| 女神 | ルクジュット《太陽の女神》 |
第十二聖騎士団
| 聖騎士団長 | カフゼン・ダクローム |
| 女神 | エンフィーエ《知識の女神》 |
聖騎士団長と女神の関係
契約を交わし、関係性はお互い信頼し合っています。
また、聖騎士団長の能力と女神の能力によって各聖騎士団の戦い方や行動は変わってきます。
分かりやすいのが第十二聖騎士団のような諜報活動をメインにする部隊。
第六聖騎士団のように聖騎士団長リュフェン・カウロンは兵站に長けているが戦いは苦手で、女神ニヴレンヌが聖騎士団長を守ることに重きを置いている部隊。
それぞれ特長が違っており、果たす役割も違ってきます。
ホード・クリヴィオスは本当に死亡したのか?
小説8巻の終盤で最終目標であるソルト螺旋嶺の手前で最後の障害になるであろう遺跡群をビュークス・ウィンティエとホード・クリヴィオス達で偵察していたところ、いきなりクリヴィオスの部下であり歩兵隊長のバラルドに化けていたユトブ方面7110隊の五ツ目が雷杖を放ち、ビュークスとクリヴィオスは倒れます。
毒の女神ペルメリィは当然、契約者であるクリヴィオスを助けようとしますが、クリヴィオスはこれを固辞。
この先の戦いで勝つためにはビュークスが必要だとペルメリィを説得し、息を引き取りました。
その後、ビュークスと女神ルクジュット、女神ペルメリィは消息不明となったことが明らかになり、8巻は終了。
ここで本題です。
ホード・クリヴィオスは本当に死亡したのか?
個人的には死んでいる可能性が非常に高いと予想しています。
「最期の言葉になった。」とハッキリ書かれていますし、死に際の会話からは聖騎士団長の誇り、人類の勝利を信じる強い意志を感じました。そして、何より「ペルメリィもこれ以上傷つかずに済むだろう。」という心の声が強く印象に残りました。
これまで、小説『勇者刑に処す』では多くの聖騎士団長と女神が登場していますが、クリヴィオスとペルメリィは登場回数も多く、関係性もクリヴィオスはペルメリィを単なる兵器として扱っているわけではありませんし、ペルメリィもクリヴィオスに全幅の信頼を寄せている様子が描かれていました。
これだけの最期の描かれ方をして「実はクリヴィオスは生きていました。」なんて言われたら拍子抜けどころではありません。物語の中で重要な人物であるクリヴィオスが最終決戦前に死亡したというのは疑う余地もあると思いますが、寧ろ今後の展開に大きく繋がっていきそうな予感もあります。
クリヴィオスが死亡して、現段階では契約者を失ってしまったペルメリィがどうなるのか?
先ほども書いたように8巻最終終盤では消息不明となっています。
クリヴィオスを見捨ててビュークスを助けることに、あれだけ抵抗していたのに最後は納得したのか?
ビュークスや女神ルクジュットと共に行動しているのか?
気になる部分が非常に多いですね。
裏切者の女神は誰か?
小説8巻はクリヴィオスの死亡など衝撃的なシーンが多かったですが、読者が一番気になったのは、裏切者の女神がいる可能性が示唆された場面ではないでしょうか?
本作のような物語が好きな人であれば当然気になるでしょうし、自分なりの考察、推理をしたくなるものでしょう。
ペルメリィ裏切者説
まず、疑われるのはクリヴィオスが死亡し契約者を失ったペルメリィ。
多分、ペルメリィが怪しいと思っている人が一番多そうな気がします。
但し、ペルメリィ裏切者説に対し個人的にはNOと言いたい。
何を目的として裏切っているかによって変わってきますが、人類の負けを望む共生派の立ち位置であったとすればクリヴィオスではなくビュークスを見捨てる方が理にかなっている。
戦闘に関してはビュークスは最強クラスの様な描かれ方ですし頭の方も切れる。
これだけ魔王現象側にとって邪魔な存在を瀕死の状態から救うメリットはあるでしょうか?
“瀕死の状態から救う”と書きましたが、これも仮説に過ぎませんね。あくまでビュークスが生きているのなら、あの状況でペルメリィが銀の零番を使ったとしか考えられないので、このような表現となりました。
それに物語としてペルメリィが裏切者であるというのは捻りが無さ過ぎますし、ミスリードにしか見えません。
では、他に怪しい女神はいるのか?
個人的には、人類の負けを望む共生派の立ち位置でなく、もっと世界をフラットな視点で見ている女神が存在するような気がします。
つまり、先ほどは人類の負けを望む共生派の立ち位置だったとしたらペルメリィ裏切者説は根拠が弱いというような事を書きましたが、前提を変えれば裏切者の女神の存在に近づけるかもしれません。
第一の女神裏切り者説
『勇者刑に処す』ではここまで、「勇者刑」、「女神」、「魔王現象」についてザックリとした説明はありましたが、真相については未だ伏せられています。
物語の序盤では怪しかった第十二聖騎士団のカフゼンですが、勇者の選定をしているような感じで敵ではなく懲罰勇者たちにある意味では味方している存在。人権は完全に無視されていますけど…
この、カフゼンがパトーシェを前にして、第一の女神について語っている描写がありました。
・英雄を召喚する力がある
・大昔の大戦初期は異世界から英雄を召喚していた
・異世界から召喚した英雄は意思疎通が難しかった
・方針を変え、この世界で死んだ人間を召喚(蘇生)するようになった
・現在、懲罰という形をとっているのには色々事情がある
・女神の力も完全ではない
・対象をどれだけ正確に思い出す事ができるかで蘇生の精度が左右される
・エンフィーエ(カフゼンと契約する知識の女神)の力記憶も補助にはなるが…
・第一の女神は勇者達の記憶とそれを思い出す事に日々全力を注いでいる
・記憶の余裕はせいぜい一人分(パトーシェに使用)
・勇者は切り札になる存在であって欲しいと思っている
この、カフゼンの発言を信用するという前提で推察すると
①・カフゼンは第一の女神本人か近しい人物と面識がある
②・カフゼンは懲罰勇者を選定しているようで、実は誰かから指示されている
①に関しては、これでけ詳しく勇者刑について語ったのはカフゼンのみであり、誰かから話を聞いていると考える方が自然です。
②に関しては、当初カフゼンが自身の判断で勇者刑にする者を選別していると私は考えていましたが、パトーシェに死刑か勇者刑を選択させる場面で「個人的にあなたに向いているとは思えない。今でも反対だ。」というようなニュアンスの言葉を掛けていました。
つまり、カフゼンだけの考えであればパトーシェを勇者刑に処す考えは無かったともとれます。
では、懲罰勇者の選別は誰がしているのか?
可能性としては第一の女神か近しい人物が、カフゼンに指示しているという可能性。
判断基準は分かりませんが、第一の女神が「○○を勇者刑にして欲しい。」と要望を出し、カフゼンが行動している。
第一の女神の詳細はここまで意図的に伏せている節があり怪しさもあります。
しかし、この推測はワンパンチ足りない感もありますね。
そもそも、そうだったとしても裏切りとどのように繋がるかという部分で弱い。
少し方向性を変え、女神による裏切りとは何かを考えてみます。
「裏切り」という言葉からは単純に人類の味方であるはずの女神が魔王現象側に付いたと考える人も多いでしょう。
しかし、裏切者の女神はそもそも人類が勝利する事を願っていないと考えるとどうでしょうか?
現在描かれているは第四次魔王討伐。
第三次魔王討伐では魔王現象との共存を目指したが、最終的には人類は敗北。そして大きく衰退。
その四百年後に現在の第四次魔王討伐が行われていますが、何かおかしいと思いませんか?
魔王現象側が人類を完全に消し去りたいなら第三次魔王討伐で人類に勝利した後、好きなようにできたはず。
しかし、実際はそんなことはなく現在に至ります。
つまり、魔王現象側の目的は人類を滅ぼすことではないと受け取れます。
寧ろ人類が滅亡する事を避けているようにも感じられますね。
ここから考えらるのは、人類を滅亡させるのは魔王現象側にとって不都合。
魔王はこの世界のシステムを理解している存在で、人類が滅亡するとこの世界そのものに大きな影響があると知っている。だからといって魔王が殺され人類が勝利するのも世界に大きな影響があると考えるのはどうでしょうか?
どちらの勝利でもなく均衡を望んでいる?
裏切り者の女神も魔王同様、人類が勝利すると世界に大きな影響があると知っている。
それは誰?
未来を知っている女神。
予言の女神シーディア裏切者説
《予言の女神》シーディアはその名の通り、未来を予知する女神。
作中では未来の光景を呼び出し、予知する女神と記されています。
人類が魔王に勝利した後の世界の光景を呼び出せていたとしたら、人類を勝たせないように行動するというのも、ある程度納得できます。
裏切りのように見えて実は世界を救おうとしている存在。
どこまで万能な予言かは分かりませんが、勇者選別にも利用できそうな力。
勇者選別に関しては第一の女神と協力している可能性まで想像を膨らませる事ができます。
古今東西、未来視があるキャラクターは強力で作中で重要な立ち位置にいる事が多い。
例えば漫画なら『ワールドトリガー』の迅悠一とか、最近のラノベであれば『崩壊世界の魔法杖職人』の未来視の魔法使いなど。
裏切り者の女神は単純な攻撃力、防御力ではない特殊能力持ちだと考えていますので、第一の女神やシーディアは非常に怪しい。
なぜ懲罰勇者が必要なのか?テオリッタの存在
“どちらの勝利でもなく均衡を望んでいる”という仮説が正しいのであれば、魔王現象に人類が簡単に敗北しないために懲罰勇者は必要な存在なのかもしれません。死んでも蘇生できるというは特に大きな意味を持つでしょう。
本来であれば、懲罰勇者と聖騎士団、既存の女神達が力を合わせれば魔王現象との戦いの均衡を保てるくらいの戦力だったのでしょうが、第四次魔王討伐ではイレギュラーが起こりました。
それが、女神テオリッタの存在。
テオリッタは作中、未起動で十三番目の女神と紹介されています。
つまり、これまでの三回の魔王討伐に関わっておらず今回が初。
テオリッタがこの世の外から呼び出す聖剣は非常に強力で「聖剣に滅ぼせないものはない」と描写されています。
実際に魔王現象側もテオリッタは魔王をも殺しうる存在と認識しており、何度も命を狙いました。
テオリッタが起動したことで魔王が倒され世界のシステムに大きな影響を与える存在だと認識されているのかもしれません。
だからこそ、イレギュラーな存在で第四次魔王討伐は今ままでとは別物になっているのでしょう。
最大の謎
第一次魔王討伐は異世界から召喚した英雄たちによって勝利しましたが、討伐後の英雄たちの様子が肩透かしを食らった、拍子抜けしたような描写がされており、とても討伐して歓喜するという感じではありませんでした。
断定はできませんが、遺跡探索の場面やユキヒトの話を考慮すると第一次魔王討伐にタツヤとユキヒトが参加している可能性は高いです。
しかし、現在はタツヤが懲罰勇者、ユキヒトは魔王現象側に付いています。
タツヤはそもそも懲罰を受けるような事はしていなさそうですし、ユキヒトは魔王現象側にいますが、ドッタのように直接迷惑を掛けてくる人物意外には敵意みたいなものを見せません。
ユキヒトはタツヤの事を気にしているような発言もしていました。
討伐後に何があったのか?英雄たちは何を感じたのか?
この謎にに関しては全く予測も付きませんが、物語の核心に迫る重要な場面であることは理解できますし、全ての謎に繋がっていると思われます。
まとめ
この記事ではホード・クリヴィオスは本当に死亡したのか?
裏切り者の女神は誰?
主にこの二つの謎について書いてきました。
結論としては、ホード・クリヴィオスは死亡している。
裏切り者の女神は第一の女神か《予言の女神》シーディア。
これが私の推測です。
本作は物語が壮大かつ設定は緻密で伏線の貼り方も秀逸なので物語の終盤に差し掛かっていますが全く飽きがきません。
各々の読者が独自の考察や推察をしつつ、9巻の発売を楽しみに待っていることでしょう。
的外れな推察かもしれませんが答え合わせ記事を書くつもりなので、興味のある人はまた見に来てください。

