崩壊世界の魔法杖職人ラノベ1巻感想

現代ファンタジーラノベ

 

この記事では『崩壊世界の魔法杖職人』1巻の感想、世界観やあらすじなど紹介していきます。

物語の重要な部分に触れた内容となっていますので、まだ読んでない人はお気を付けください。

 

 

・『崩壊世界の魔法杖職人』どんな作品?

 

著者 黒留 ハガネ
イラスト かやはら
種類  単行本
レーベル  KADKAWA
既刊  4巻
新刊発売予定日  2026年11月22日頃

 

 

書籍化前から異例の人気

 

『崩壊世界の魔法杖職人』は黒留ハガネ氏が2024年に【小説家になろう】で連載開始。

連載開始直後から話題となり、2025年2月には年間ローファンタジーランキング1位を獲得。

 

その後、2025年5月に書籍化発表。

 

クラウドファンディング

 

2025年6月~7月にかけて書籍化を記念したクラウドファンディングを実施。

目標金額の10倍以上となる支援総額約1110万円を集めました。

 

 

ストーリー

 

あらすじ
大利賢師は器用さだけで生きてきた男だ。それは文明が崩壊しても変わらない。ある日地球に降り注いだ魔法の隕石群は、地球から全ての電気を奪った。電気に支えられていた高度な社会はたちまち崩壊。未曾有の大混乱が起きる世界を尻目に、大利は独りのんびりと隕石の一つを削り出し、魔法の杖を作り上げた。――そう、人類は電気を失ったが、代わりに魔法を手に入れたのだ。そして大利は知らなかった。電子機器が使えなくなった崩壊世界で、精密機械並の工作ができる自分の器用さが世界を救う力になる事を。西に人間不信の魔女がいれば、器用さで閉ざされた心を開き。東に命懸けで世界を救う研究をする可愛いオコジョがいれば、器用さで助けてやり。ガラクタだって魔法の杖に加工できる。なぜなら器用だから。これは崩壊世界で繰り広げられる魔女や魔法使いの英雄譚ではない。コミュ障で奥多摩に引きこもったド器用な青年が魔法杖職人となり、東京の片隅(奥多摩)から全世界を揺るがしていく、生涯の記録。引用元:https://promo.kadokawa.co.jp/mfbunkoj/special/wandmaker/

 

 

 

 

・『崩壊世界の魔法杖職人』1巻の流れ

 

ここからは『崩壊世界の魔法杖職人』1巻のざっくりした内容を順に説明していきます。

 

 

大利賢師(おおりけんし)

 

本作の主人公・大利賢師は極度のコミュ症。

崩壊前の世界では人と関わることを避け、奥多摩の借家で暮らしていました。

手先が器用な大利はそれを活かし修理品やオリジナルの商品をいちから作ってネットオークションで販売。

コミュ症の大利にとってネットオークションは人に会うことなくお金を稼ぐことのできる最高の仕事となっていました。

 

 

文明崩壊

 

ある日、地球に魔法の隕石群が降り注ぎ文明は崩壊。

しかし、奥多摩で引きこもり生活をしていた大利は文明が崩壊していることに気づかずそのまま生活。

電気が止まっても、田舎だから対応が遅いのだろうくらいの感覚で過ごしていました。

その間、外に落ちていた大きな隕石を拾い解析。

手先の器用さを活かして球体に削りあげ【オクタメテオライト】と命名。

オクタメテオライトの固有振動数を調べ、その固有振動数で歌うと魔法が発動!

その後、柄を付けて初となる魔法杖を完成させます。

 

いつまでも経っても復旧しない現状に焦りを感じ勇気を出して外出した大利は電気系統が水晶に全てやられていることに気づき、事の重大さにようやく気付きます。

 

 

サバイバル生活

 

現状を理解した大利はサバイバル生活を開始。

釣りや狩猟で何とか食料を確保し生活サイクルを整えるも、冬の到来で食料の確保は困難に。

そんな中でも、オクタメテオライトほど大きくない汎用量産型の魔法杖【ヘンデンシショー】作成。

この困難な状況でヘンデンシショーを手に遂に街に出て略奪することを決意します。

 

 

青の魔女

 

奥多摩から青梅に足を運んだ大利はそこで美少女と出会います。

その美少女は青梅を治める魔女で通り名は「青の魔女」。

この出会いにより、各地区を治めている魔女や魔法使いという存在がいることを知る大利。

魔女や魔法使いは静電気体質の人間が隕石が降り注ぎ、電気に反応して身体中に痛みを感じ死を彷徨いながらも生き残った者の総称。

女性が魔女。男性が魔法使いと呼ばれている。

 

はじめは青梅に不法侵入してきた者だと大利を警戒していた青の魔女も大利がコミュ症で敵意もなく、警戒する必要もないと悟り、ダメ押しに妹が大切にしていた壊れたオルゴールを大利が修理復活させたことで涙を流し、好意的になっていきます。

 

大利が奥多摩に戻った後も青の魔女は物資や食料を支援。

大利は青の魔女の為にハイスペックな魔法杖【キュアノス】を完成させプレゼント。

 

 

食糧問題の解決

 

東京都の人口の80%が失われ、略奪の時代は終わり新時代に向けて問題が山積みとなっていますが、一番生死に関わってくるであろう食糧問題の解決に向けて物語は進んでいきます。

魔女や魔法使いと一般の人間の最大の違いは発声できる音の種類。

一般の人間には絶対に発音できない詠唱もあり、誰でも訓練すれば詠唱が出来るようになるというものではありませんでした。

豊穣魔法というものが存在し、豊穣魔法は収穫量を倍にしてくれるなど食糧問題を解決するには欠かせない魔法。

そういう事もあり、多くの人間が魔法を詠唱できるようなシステムを作り出す必要性が出てきたのです。

魔法語を分析し発音不可音を避けつつ同じ意味かつ人間が発音できる単語を使って詠唱文を再構築する事で人間が発音できる同じ効果の魔法を作り出す研究を開始。通称・迂回詠唱の研究。

しかし、この研究は命がけ。何故なら研究中に魔法が暴発し死者が多数出ているから。

 

そこで、大利は暴発しても威力が抑えられる、魔法杖制作に着手。

失敗や改良を重ねながら正十二面体フラクタル型魔法杖【アレイスター】を完成させます。

この魔法杖は一度目の詠唱では発動しないセーフティーロック機能、威力減衰、不適切な詠唱には反応しないという研究者たちにとって最高の魔法杖。

これにより研究派は一気に進み、豊穣魔法の改良も完成。

 

豊穣魔法の使い手を増やすべく東京魔法大学を開校し、食糧問題の解決の第一歩を踏み出しました。

 

 

 

 

 

・『崩壊世界の魔法杖職人』1巻感想

 

世界観、設定、キャラクター読み始めて直ぐに面白いと感じ、サクッと1冊読み終えてしまいました。

主人公・大利のコミュ症は異常とも言えるもの。

コミュ症の人間は数多存在しますが、ここまでのコミュ症に出会った事はありません。

しかも、本作ではそのコミュ障が改善していく雰囲気なんて無いのも新鮮ですね。

 

そんな、大利が器用さを活かして魔法杖を制作し崩壊した世界に大きな影響を与えていくわけですが、コミュ症なのに器用さには圧倒的な自信を持ち、それなりの承認欲求があるというギャップが良い味を出しているなと感じました。

 

一般的なファンタジー作品に登場する魔女や魔法使いは元からそういう存在であったり、人間とは違う生き物みたいな印象が強いですが、本作では静電気体質の人間でグレムリン災害から生き残った者という面白い設定。

まあ、姿かたちが変わってしまった魔女、魔法使いも多いですが…

そんな中、吸血の魔法使いが死んでしまいました。

政治的な役割を果たしていてスペックの高そうな吸血の魔法使いが生きていた世界線も見てみたかった気がします。

この他、1巻では未来視の魔法使いがクローズアップされていました。彼がどれだけ苦労人か理解できましたし、今後は他の魔女、魔法使いがクローズアップされることもあるでしょうから楽しみです。

 

電気を失い、魔法を得たポストアポカリプスな世界で、その魔法に大利が分析し根拠を持たせ魔法杖を制作しどのように役立てていくのかという壮大な世界観の作品である一方、それが奥多摩で引きこもっている男の手に少なからずかかっているというギャップが魅力的です。

とても面白い作品なので多くの人に読んでいただきたいなと思います。

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