『魔術漁りは選び取る』の魅力や面白さを解説【ネタバレ無し】

ラノベ感想

 

今回PICKUPするライトノベルは『魔術漁りは選び取る』。

カクヨム発で2025年に書籍化された作品です。

この記事では『魔術漁りは選び取る』を実際に読了した上で、どんな作品なのか、どこが面白いのか、どんな人に合う作品なのかを詳しく解説していきます。

極力ネタバレが無いように配慮していますので、ご安心ください。

 

 

『魔術漁りは選び取る』どんな作品?

 

『魔術漁りは選び取る』は戦場漁り(戦の最中に戦場で武器などの金目の物を拾う役割)をしている少年カナタの成長を描く、成り上がりハイファンタジー。

 

 

基本情報・あらすじ

 

 

著者 らむなべ
イラスト  EEJU
ジャンル  ハイファンタジー
種類  単行本
レーベル  MFブックス
既刊  3巻
新刊発売予定日  2027年3月25日頃

 

 

あらすじ
傭兵団の戦場漁り、少年カナタは生き延びるために戦場で金目のものを漁る生活を送っていた。唯一の楽しみは戦場に落ちている魔術の残りかす――魔術滓(ラビッシュ)と呼ばれる綺麗な小石を拾う事。それは魔術師が魔術を発動した際に生じた余計な魔力の塊。時間が経てば消えるだけの、言ってしまえば何の役にも立たないゴミ。しかし、過酷な環境下でカナタが美しいと感じられるものは、この魔術滓(ラビッシュ)くらいしかなかった。ある日、高額な報酬を約束された戦火で、傭兵団は何者かの魔術によって執拗に攻撃を受け続けた。その攻撃は雇い主である貴族の魔術師によるものであり、契約を反故にするための裏切りであった事が次第に判明する。傭兵団が悪意の岐路に立たされた時、カナタが選ぶのは――覚悟と決意を胸に、少年は成り上がる。
引用元:https://www.kadokawa.co.jp/product/322412000950/

 

 

 

 

登場キャラクター

 

本作に登場するメインキャラクターを紹介します。

 

 

カナタ

 

本作の主人公。

傭兵団に所属し戦場漁りをしている少年だが、人からはゴミ扱いされる魔術滓(ラビッシュ)を集めることが唯一の楽しみ。

とある事件をキッカケに成り上がり人生が始まる?

 

シャトラン・ディーラスコ

 

貴族でカナタを養子に迎えた父親。

 

ロザリンド・ディーラスコ

 

シャトランの妻でカナタの母親。

貴族社会に慣れるためにカナタを厳しく躾ける教育係。

 

エイダン・ディーラスコ

 

ディーラスコ家の長男。

当初は養子であるカナタを敵対視していたが、徐々に打ち解ける。

 

 

ラジェストラ

 

アンドレス公爵家。

カナタを養子にする事を決めた存在。

シャトランの上司的な立ち位置。

カナタの意志の強さや性格を高く評価しているが…

 

セルドラ

 

アンドレス公爵家の長男。

何でも万能にこなすが魔術は苦手で遠ざけていた。

 

ルミナ

 

アンドレス公爵家の長女。

過去のトラウマで異性と接触するのが苦手。

作中では特別な存在でヒロイン。

 

ロノスティコ

 

アンドレス公爵家の次男で末子。

いつも、本を読んでおり口数も少なく運動は苦手。

魔術には興味あり。

 

 

『魔術漁りは選び取る』が面白い理由

 

ここからは『魔術漁りは選び取る』が面白い理由を解説していきます。

 

 

主人公・カナタが魅力的

 

カナタは戦場漁りでラビッシュを集める事を唯一の楽しみに日々を過ごしていましたが、ある日ラビッシュから魔術の術式を読み取れるようになります。

特殊な能力はこれだけで、物覚えは平均的か、それ以下。魔術だけが得意という設定になっています。

一般的に言われている、「努力をせずとも強くなる主人公が苦手」という言葉。

私も同感ですが、カナタは努力して成り上がっていく所がカッコいい訳ではありません。

彼は要所で大きな決断を迫られますが、いつも最後には自身で決断。(選び取る)

意志が強く、どんな状況でも自分を曲げたりしませんし、どんなに強力な相手でも立ち向かうべきだと考えたなら立ち向かっていきます。

そんな真っすぐな性格だからこそ、カナタの言葉には説得力があり心に染み入るものとなって、周りとの関係構築に役立っています。

彼の生い立ち、過去の“何もしなかった”後悔が「見ているだけでは変わらない!」と自身を鼓舞しています。

周囲に対する優しさ、どんな不条理な目に合っても他人のせいにする事なく、力強く前に進んでいく姿がとても魅力的。

意志が強い=頑固ともとれますが、

カナタは助言が正しいと思えば素直に受け入れる懐の深さも携えています。

これが貴族社会にも上手く馴染めている理由でしょうか。

 

 

物語の繋がり・バランスが良い

 

本作は傭兵団所属時代から養子になり貴族社会での生活へと物語の舞台が変わります。

物語の序盤では戦場というシリアスな場面に戦場漁りの子供達というアンバランスさと、傭兵団の大人達と子供達という対比を上手く活かして描かれており、直ぐに心を掴まれました。

正直、貴族社会の話に切り替わった時「もう、傭兵団での話は終わりなのか…」と残念に思いましたが、貴族社会の話に変わってからも面白い。

それは何故なのかと考えてみると、カナタの行動原理が過去の後悔や傭兵団時代を土台としているからです。

貴族だからこう考えるというのではなく、カナタがこれまでの経験で得た知識や感覚をそのまま貴族社会に持ち込んでいるところが物語としての繋がりを感じますし、貴族達にも新鮮に見えるのではないでしょうか。

そして、これまで関わった大切な人たちの言葉が舞台が変わっても活かされているというのが大きいでしょう。

 

平民の主人公が養子となり貴族の子供となる作品は数多あり、貴族特有の出自をバカにしたり、いじめていく展開が一般的には多いですが、本作は養子というカナタの存在に思うところはあっても、シッカリと親子関係、兄弟の関係、友人関係を構築していく過程が心地よい。

貴族社会のルールやマナーを身につけていきながらもその中で自分なりの答えを探していくブレない心がカナタの魅力であり強さだと感じさせてくれます。

 

本作は魔術を扱える人間が存在する世界なので当然バトルシーンもあります。

カナタは魔術が得意と言っても、元々は魔術を扱えなかった人間。

魔術の扱いもラビッシュから術式の欠片を読み取るという特異な方法。

自分なりに研究、考察で徐々に扱いが上手くなっていきますが、格上相手に戦う事も多く、無双したりするシーンは殆どありません。

常に考えながら戦い、次に活かしていくというスタイル。

バトルシーンは緊張感があり派手さは無いですが、とても丁寧に描かれています。

 

バトルシーンが多過ぎず、過去、日常、魔術の掘り下げ、貴族社会、人間関係がバランスよく組み込まれており、飽きさせない構成となっているところも素晴らしい。

 

 

カナタの過去

 

この記事でも何度か使っている「過去」という言葉。

カナタには幼いころの母親にまつわる悲しいエピソードがあります。

一見すると過去に辛い事があって、傭兵団に所属する事になった可哀そうな少年という印象しか持てないかもしれませんが、それが現在のカナタとルミナの関係性に繋がっていそうな事が分かってきます。

カナタの過去とルミナがどのように繋がっているのか?

物語に核心部分を突く要素でもあるので詳しく触れることはしませんが、そういう部分を楽しみながら読める作品でもあります。

 

 

『魔術漁りは選び取る』合う人・合わない人

 

ここからはライトノベル『魔術漁りは選び取る』が合う人、合わない人について個人的な見解を述べさせてもらいます。

 

 

合う人

 

・主人公の成長をジックリ楽しみたい

・バトルだけでなく人間関係やそれぞれの思惑などを楽しみたい

・物語の舞台が変わっていく作品が好き

・考察が好き

 

 

合わない人

 

・主人公に無双して欲しい

・バトルが主軸の作品が好き

・登場キャラが多い作品は苦手

 

 

まとめ

 

『魔術漁りは選び取る』の魅力や面白さについて書いてきました。

好きな主人公は今まで読んだライトノベルの中にも沢山いましたが、本作の主人公・カナタはその中でも上位に入るレベルでお気に入りです。

やはり、どのような作品でも主人公が自分にとって魅力的かどうかは作品を評価するうえでも重要な部分だと思います。

タイトルにあるように「選び取る」というのは、カナタがどのような選択をして歩み進めていくかを表している言葉。

これまでの経験や出会った人達がカナタに影響与え、その中から自分で大切だと思ったことを選び取ったり、状況に応じて判断し強く成長していく。

そんな、意志の強さと優しさをもった主人公が好みであれば、きっと楽しめる作品だと思います。

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