今回PICKUPするのは日テレ・ベレーザ所属のゴールキーパー山下杏也加選手。
若いながらも経験豊富で6月7日に開幕するW杯フランス大会での活躍が期待されている。
そんな山下選手の経歴を中心に紹介していくのでお付き合い頂ければ幸いだ。
山下杏也加 プロフィール・FWからGKにコンバート
名前 | 山下杏也加(やましたあやか) |
生年月日 | 1995年9月29日 23歳 2019年6月現在 |
血液型 | B型 |
出身地 | 東京都足立区 |
出身校 | 村田女子高等学校 |
所属 | 日テレ・ベレーザ |
身長・体重 | 170cm・64kg |
兄の影響を受け、小学2年生でサッカーを始めた山下選手。
中学時代は地元の【足立LFC】に所属し中学卒業後は東京都文京区にある【村田女子高等学校】に進学した。
小学生時代からFWでプレーし得点を決める事しか頭になかったそうだが高校1年の秋に才能を見込まれGKにコンバートされた。
長身という事もあったが女性選手の中では筋力が強くバネがあり、当時からジャンプ力はずば抜けていたようだ。
高校2年の時【スーパー少女プロジェクト】(将来の女子サッカー日本代表のゴールキーパー)を目指すプロジェクトのトレーニングキャンプに参加。ちなみに代表経験のある山根恵里奈選手もこのプロジェクト出身者だ。
高校3年次(2013年)には【U-19日本女子代表メンバー】に選出され同年の7月から【日テレ・ベレーザ】に特別指定選手として登録された。
特別指定選手として登録される前に練習生としても参加していたそうだが、日テレの当時のGKコーチは一目見てモノが違うなと感じたというエピソードを残している。
僅か5年でA代表なでしこJAPANに初選出
高校卒業後、特別指定選手から正式に【日テレ・ベレーザ】に入団。
開幕戦からスタメン起用されるがリーグ戦の出場は4試合に留まった。
翌年、2015年は飛躍の年となり、リーグ戦に22試合出場しリーグのベスト11に初選出される。(2015年~2018年まで4年連続でなでしこリーグのベスト11に選出されている)
同年8月には【なでしこJAPAN】に初選出され【EAFF女子東アジアカップ2015】に出場。韓国戦で代表初出場を果たした。高校1年生の時にGKにコンバートされてから僅か5年での代表デビューは快挙と言えるだろう。
プレースタイル
他のGKに比べ、GK歴の浅い山下選手が何故、短期間で代表に選出されるレベルになったのだろうか?
記事冒頭にも書いたように筋力が強くバネがあるというのも一つの理由だろう。
そして、もう一つの大きな理由は高校1年の時までFWをしていた事にあると思う。
山下選手は一般的な女性GKより足もとの技術がシッカリしているというのが最大の特徴だ。
近年の女子サッカーもGKが11人目のフィールドプレーヤーとして機能しなければいけない時代になっている。特に高倉麻子監督が率いる現なでしこJAPANはバックラインからのパス回しで相手を崩していくというコンセプトを持っている。足もとの技術が優れているGKを代表に選出しているイメージがあり、そんな中でも技術とキック力を兼ね備えている山下選手は代表の正GKに一番、近い存在なのかもしれない。
なでしこJAPANのバックラインのパス回しはお世辞にも上手いと言えるものではないのでGKに求められる足もとの技術は自然と高くなっているような気がする。危ない場面でも強いキック力で大きくクリアできるというのは女子サッカーでは大きな武器となるはずだ。
W杯フランス大会の代表メンバーに選出
間近に迫った【W杯フランス大会】の代表メンバーに選出された山下選手はW杯前の最終強化試合となった6月2日のスペイン戦にフル出場した。
なでしこJAPANの戦いぶりは決して褒められるものではなく課題が多く残ったがスタメンで出場した選手の中で一番、奮闘したのは山下選手で間違いないだろう。

終始、相手に攻め込まれる劣勢の展開の中、山下選手の落ち着いた対応が日本代表を救った。
前半、一度だけパスミスをしてしまいピンチを作ってしまったが持ち前の足もとの技術の高さで上手くパスを捌いていた。状況を瞬時に判断しパスに拘らず大きくクリアする場面もあり個人的には安心して見ていられた。
後半のアディショナルタイムには好セーブのあとのこぼれ球を相手選手に押し込まれそうになるが、直ぐに態勢を整え至近距離のシュートをファインセーブした。技術的な事だけでなくプレーに魂がこもっているような印象があり、本当に素晴らしいプレーだったと思う。
正GK争い
山下選手の他に2選手が選出されている。
背番号 | 名前 | 生年月日 | 所属 | 身長・体重 |
1 | 池田咲紀子 | 1992年9月8日 26歳 | 浦和レッズレディース | 168cm・60kg |
21 | 平尾知佳 | 1996年12月31日 22歳 | 新潟アルビレックスレディース | 173cm・65kg |
池田選手も平尾選手も足もとの技術に長けたGK。180cmを超える長身の山根選手が代表に選出されなかったように足もとの技術が低い選手は高倉監督には信頼されないという事だろう。
3選手とも甲乙つけがたいが総合力では山下選手が僅かに上か?
山下選手はプレーの出来に多少の波はあるが、やはり直前の強化試合で素晴らしい働きをしたので高倉監督の評価も上がっているのではないだろうか?ハイボールの処理も落ち着いていたので個人的には山下選手を推したいが池田選手も平尾選手も素晴らしいGKである事に違いはない。
山下杏也加選手の素顔
なでしこリーグで戦う選手の殆どがサッカーと仕事の両立をしているというのはご存知の方も多いだろう。プロ契約している選手はごく僅かしかいない。
山下選手も2014年4月~2019年3月まで【日本体育施設株式会社】で事務職をこなしていたようだ。
そんな山下選手だが2019年4月からプロ契約となりサッカーに集中できる環境が整った。しかし、プロ契約後に成績を落とす選手も多いので、今まで以上にサッカーに情熱を傾けてもらえればと思う。
ネットなどではイケメンと言われる事も多い山下選手。確かに髪は短めで顔立ちも整っているのでイケメンという表現をされるのも頷ける。
しかし、外見とは違いサッカーをしていなかったらアパレル関係の仕事をしたかった、趣味は音楽鑑賞、映画鑑賞、特技は金魚すくいと可愛らしい一面を持っている。
愛用スパイク
山下選手が愛用しているスパイクは【NIKEファントムビジョン エリート】。
ボールの接触面のシューレースを無くし、より正確なボールコントロールを可能にしている。フィット感があり素足感覚でプレーできるようだ。なでしこリーグでも愛用している選手が多く、GKだが足もとの技術の高い山下選手にピッタリのスパイクなのかもしれない。
なでしこJAPANの常連だが、まだ23歳と若くGK歴も短いので伸びしろは大きいはず。
今回のW杯だけでなく東京オリンピック、次回のW杯での活躍も期待される。
近年、苦しい戦いを強いられることの多いなでしこJAPANだが山下選手の活躍が勝敗を左右するかもしれない。W杯本番での山下選手のプレーに注目だ!!
Twitter:@ananan6161
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