世界陸上ドーハ大会の開幕が明日に迫り、胸を高鳴らせている陸上ファンも多いだろう。
しかし、開幕直前になり女子マラソンと男女の50km競歩が中止になる可能性があるというショッキングなニュースが飛び込んできた💦
今回はこの件について書いていくので興味のある方はお付き合い頂きたい。
懸念されたドーハの暑さ
先日、9月15日に行われた【MGCマラソングランドチャンピオンシップ】。
公平公正な日本代表選出方法など様々な理由があり開催されたが、その中には当然、酷暑の中で開催されるであろう【東京オリンピック】のマラソンに適性があるのかどうかという部分も試されていたはずだ。
女子は前田穂南選手(天満屋)が20km辺りから後続を突き放し圧勝。
2位は4分近く離され鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)。
3位には内定とはならないが4秒差で小原怜選手(天満屋)が入った。
注目してもらいたいのは1位の前田穂南選手と2位の鈴木亜由子選手がそれぞれ夏の北海道マラソンでMGC出場の権利を勝ち取り、暑さに強いという事を証明していた選手が代表に内定したという所だ。
勿論、走力自体も出場選手の中ではトップクラスであるが暑さに強いという部分がプラスに働いた事は間違いない。
男子の方も暑さが得意でラストの切れ味がある中村匠吾選手(富士通)が優勝。
冬の高速コースで行われる東京マラソンで権利を獲得した選手は軒並み低調な成績に終わった。
この結果から考えると夏に開催される世界陸上やオリンピックでは速さ以上に暑さへの耐性や勝負強さの方が大切なように思う。当然、最低限の持ちタイムは必要だが。
現在のドーハは真夏の日本よりも暑いそうだ。
日中は40℃を超え、深夜でも30℃を下回る事は殆どないという情報もある。更にはランナーにとって大敵である湿度も80%もあるようだ。
この暑さは流石に想定外だったのか、フランスのメディアが初日、二日目に行われる女子マラソンと男女の50km競歩が中止になる可能性があると報じた。
下の記事を書いた時に調べたドーハの気温より今年は日中も深夜帯も気温が高いようだ。

まず、選手の身体が一番大事なので中止を検討するのは当然と言えば当然の事だろう。
しかし、女子マラソンに出場予定の日本の3選手はMGC出場を諦めてまで世界陸上に出場する事を選択している。
三者三様の想いはあるだろうがMGCの事が頭をチラつかなかった選手はいないはずだ。
ここまで、世界陸上に向け厳しい練習に取り組んできているはずなので中止となれば、精神的なダメージも大きいはずだ。
何が言いたいかというと何故、酷暑が予想される地域で世界陸上やオリンピックを開催するのかという事だ。
お金や政治を含め様々な事が絡んでいるので簡単にこうすればいいのにとは言えないが、結局のところ辛い思いをするのは選手だという事を忘れてはいけない。
難しくても開催時期を10月以降に変更するなど考ないといけない時期にきていると思う。
長距離種目だけがクローズアップされているがマラソン以上に消費カロリーが多い10種競技も地獄だと思われる。(競技場は空調があるようだがそれでも暑い事には変わりない)
世界陸上女子マラソン日本の3選手
出場選手は中野円花選手(ノーリツ)、池満綾乃選手(鹿児島銀行)、谷本観月(天満屋)の3選手。
この3選手はエリートというよりは地道に努力を続け花開いたタイプの選手だ。
中止の可能性もあるという状況の中、本人達がどのような気持ちで過ごしているかは想像もできないが気持ちを切らしてはいないだろう。
予定通り開催されれば、思う存分力を発揮してもらいたいし無事に走り切って欲しい。
今大会には2時間20分を切る自己ベストタイムを持つ選手も複数いて正直、上位争いをするのは難しいとは思うがこれだけの暑さなので粘っていければ少しだけ入賞のチャンスがあるかもしれない。
中止になれば身体のダメージは少ないかもしれないが精神的なダメージはあるだろう。
今回はMGCがあり軽視されているが、世界大会に日本代表として出場できるというのは本当に素晴らしい事であり尊敬できる事。
走らせてあげたい気持ちと、この環境であれば中止もやむをえないという気持ちが半々だ。
しかし、レースの1時間前までにレースの有無を発表するというのは選手を馬鹿にしているように思えてならない。
関連記事
