今回PICKUPするのは競泳の酒井夏海選手。
今年9月に韓国で開催される世界水泳選手権出場を決めている。
中学生の時から年齢制限のない大会に出場し優勝するなど大きな期待を背負っている酒井選手の経歴や人物像など詳しくご紹介するので、お付き合い頂きたい。
酒井夏海 プロフィール
名前 | 酒井夏海(さかいなつみ) |
生年月日 | 2001年6月19日 18歳 2019年6月現在 |
血液型 | 不明 |
出身地 | 埼玉県 |
出身校 | 武南高等学校在学中 |
所属 | スウィン南越谷 |
身長・体重 | 175cm・65kg |
兄の影響を受け幼稚園の頃からスイミングスクールに通い始めた酒井夏海選手。
才能は直ぐに開花、小学生時代に【ジュニアオリンピック】の100m背泳ぎで優勝を果たし、中学進学後は1年生で【全国中学水泳競技大会】の100m背泳ぎを制するという快挙を達成している。
中学2年の時には国内トップが集まる【日本選手権】に出場し50m背泳ぎで3位。200m背泳ぎでも3位に入り関係者やファンを驚かせた。(50m背泳ぎは28秒55の中学新記録をマークしている)
勢いに乗った酒井選手は翌月に行われた【ジャパンオープン】では見事、200m背泳ぎで優勝を果たしている。
中学2年にして国内の主要大会を制した酒井選手にとって同年代の選手など相手にならず全国中学校水泳競技大会では100mと200m背泳ぎで制し、100mは連覇達成となった。
中学生でオリンピック出場
2016年、中学3年のこの年は【リオデジャネイロオリンピック】が開催される年でもあった。
学年が上がって直ぐの4月にリオデジャネイロオリンピック代表選考会を兼ねた日本選手権に出場することに。当時、まだ14歳だった酒井選手だがオリンピック出場を本気で狙っていた。
しかし、100m、200mの背泳ぎで優勝するも派遣標準記録に届かず個人種目でのオリンピック出場とはならなかった。
女子の背泳ぎは2000年のシドニーオリンピック以降、4大会連続でメダルを獲得していた御家芸的な種目だったが、メダリストが次々と引退し2015年の世界選手権ではメダルを逃す結果となった。
それだけにスーパー中学生と言われる酒井選手への期待は当時、相当大きかったと記憶している。
個人種目でのリオデジャネイロオリンピック出場は叶わなかったが、400mメドレーリレーのメンバーに選出され、競泳ではアトランタオリンピックにバタフライで出場した青山綾里さん以来、20年ぶりの中学生オリンピアンとなった。
低迷する女子背泳ぎ復権に向けて
前述した通り近年、日本の女子背泳ぎは低迷している。
ロンドンオリンピックで寺川綾さんが銅メダルを獲得したが2015年、2017年の世界選手権、さらには2016年のリオデジャネイロオリンピックでもメダルを獲得する事はできなかった。
日本記録も100mが寺川綾さん(2013年)、200mが中村礼子さん(2008年)の記録で長らく更新されていない。
まずは日本記録の更新が世界大会の表彰台に上る近道であると考える。
ここで酒井選手の記録と世界記録、日本記録を比較していこう。
長水路 | 100m背泳ぎ | 200m背泳ぎ |
世界記録 | 58.10 | 2.04.06 |
日本記録 | 58.70 | 2.07.13 |
酒井夏海PB | 59.20 | 2.08.13 |
日本記録と比較すると100mで0.5秒、200mで1.0秒という事で一見すると近い記録に思えるが競泳で50mの記録を0.5秒縮めるのは凄く大変な事だ。
酒井選手自身は中学生オリンピアンとなったものの翌年の2017年は故障もあり上半期は低迷した。
しかし、その後は復調し自己ベストを立て続けに更新するなど大きく成長している。
今年の日本選手権の結果は100mで優勝、200mでは2位となったが派遣標準記録に届かず、世界選手権にはメドレーリレーのみの出場となってしまった。
水泳の派遣標準記録はかなり厳しく種目によって違いもあるが日本記録に近いタイムが必要になってくる。酒井選手には日本記録を更新してもらって個人種目で世界大会に出場する事を期待している。
憧れは寺川綾さん・性格
この記事にも何度も名前を出しているが酒井選手の憧れは寺川綾さん。
専門種目が2人とも背泳ぎで身長も174cmと同じなので共通点も多い。
日本人女性としてはかなり恵まれた体格を持ちポテンシャルの高さは言うまでもない。
酒井選手の唯一の弱点は意外なものでアスリートでありながら他の選手と競り合う事が嫌いだということ。このようなアスリートは珍しい。優しい性格なのか他の選手と協力して戦えるリレーは好きなんだとか。
長く活躍しているので中堅、ベテランに思えてしまうが彼女はまだ高校3年生。メンタル面で足りないところがあるのは仕方ない事なのかもしれない。
寺川綾さんもオリンピックでメダルを獲得したのは27歳。酒井選手も年齢を重ねて強くなっていく可能性は十分にあるはずだ。
【アジア大会】競泳は19日、女子400メートルリレーで日本が金メダルを獲得しました。写真はメダルを手にする(右から)池江璃花子、酒井夏海、青木智美、五十嵐千尋。力泳する池江です。記事→https://t.co/Dq8MBoHVkA #池江璃花子 #アジア大会 pic.twitter.com/GLBbR0XHcz
— 時事通信映像ニュース (@jiji_images) 2018年8月19日
#アジア大会 第6日(23日) #競泳 女子4×100mメドレーリレーで金メダルを獲得した(左から)青木智美選手、池江璃花子選手、鈴木聡美選手、酒井夏海選手。日本新記録をマークしました! #がんばれニッポン #AsianGames2018 pic.twitter.com/9f4hSq8baF
— 日本オリンピック委員会(JOC) (@Japan_Olympic) 2018年8月23日
酒井選手にとって最大の目標は2020年の【東京オリンピック出場】になるだろう。
日本水泳連盟が定める派遣標準記録は非常に厳しいもので本大会で上位争い可能なタイムが設定されている。
2020年の日本選手権でこの派遣標準記録を突破し各種目上位2名に入れば東京オリンピックの代表内定となる。
つまり、日本選手権に勝利する事より、まずは厳しい派遣標準記録をシッカリと突破しないとオリンピック出場の夢は叶わない。
勝負事は苦手だという酒井選手だが仲の良かった池江璃花子選手が療養中の今、自分が引っ張って行かないといけないという自覚が芽生えている。
きっと、今までより強い酒井選手が見られるはずだ。
Instagram:natsumi_sakai
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