新谷仁美の経歴は?ハーフ日本新記録樹立!!世界陸上や東京オリンピック出場なるか?

陸上

 

今回PICKUPするのは昨年、2018年に5年ぶりの現役復帰を果たした陸上長距離の新谷仁美選手。

経歴や復帰後の想いなど詳しく書いていきますので、お付き合いよろしくお願いします。

 

新谷仁美 プロフィール

 

名前 新谷仁美(にいやひとみ)
生年月日 1988年2月26日 32歳 2020年2月現在
血液型 AB型
出身 岡山県
所属 NIKE TTC→積水化学
身長・体重 166cm・44kg

 

距離 自己ベスト記録
3000m 9.08.86
5000m 15.07.02
10000m 30.56.70
ハーフマラソン 1:06.38(日本新記録)

 

新谷仁美選手は中学校を卒業後、女子駅伝の名門校である【興譲館高等学校】へ進学。

毎年12月に開催されている【全国高校駅伝】ではエース区間を走り3年連続で区間賞を獲得。

第17回全国高校駅伝では自身の持つ区間記録を上回る18分52秒のタイムを記録し2019年現在も区間記録として残っている。

 

マラソン挑戦

 

高校卒業後は鳴り物入りで【豊田自動織機女子陸上部】へ入部。

憧れだった高橋尚子さんを指導していた故小出義男さんが監督を務めていたというのが入部の決め手になったようだ。

社会人1年目からマラソンに挑戦する事に。初マラソンは【第1回の東京マラソン】で2時間31分01秒の記録で女子の部の優勝を果たしている。初マラソンで優勝という快挙を達成し新谷選手に対する期待感はさらに高まる事に。

しかし、翌年は【北海道マラソン】に参戦するが惜しくも2位。

その後は【名古屋国際女子マラソン】で2時間30分58秒の自己ベストを記録するが8位という結果に終わり以後マラソンを走っていない。

「高橋尚子さんのようにマラソンで活躍したい」と語っていたが、持ち前のスピードを活かしハイペースで引っ張るのが新谷選手のレースパターン。マラソンという長い距離ではスタミナ面の不安もあり後半は失速していたので、マラソンよりトラックの方が向いていたのかもしれない。

ただ、3回しかマラソンを走っていないので向いていなかったと決めつけてしまうのも少し乱暴な気がする。

 

世界陸上・ロンドン五輪

 

2011年、豊田自動織機女子陸上部が千葉県から愛知県に移転することに。

これを機に新谷選手は同部を退部し、【千葉陸協】所属に変更。

この年の【陸上日本選手権】女子5000mで2位になり【世界陸所大邱大会】の女子5000m日本代表に選出された。

世界陸上本番では予選を15分31秒09走り1組目7着。(全体7番目)のタイムで決勝に進出。

決勝では新谷選手らしく序盤から飛び出し主導権を握るが最後は力尽き13位という結果に終わった。

 

翌年の2012年はオリンピックイヤー。

日本選手権女子5000mで15分17秒92の記録で優勝し【ロンドンオリンピック】代表に内定。同時に10000mの代表にも選出された。

ロンドンオリンピック10000mでは出場した日本人選手全員が積極的なレースを見せ、新谷選手は自己記録を更新する30分59秒19の日本歴代3位のタイムで9位。入賞まであと1歩というところだったが日本人選手が全員の積極的な姿勢が新谷選手の好記録に繋がった側面もあり個人的には素晴らしいレースだったと思う。

5000mでも15分10秒20の自己記録をマークしたが力及ばず決勝進出はならなかった。

 

モスクワ世界選手権で快挙!!からの競技生活引退

 

ロンドンオリンピック後も国内のトラック種目や駅伝で大活躍し2013年の陸上日本選手権女子10000mでは31分06秒67の大会新記録で優勝。同年8月に行われる【世界選手権モスクワ大会】の代表内定を決めた。

2位に1分以上の大差を付ける衝撃的なレースだったので興味のある方は動画を見て頂ければと思う。

 

続く世界陸上モスクワ大会女子10000mでの走りは個人的には新谷選手の出場したレースの中で最高のパフォーマンスだったのではないかと思っている。

新谷選手はレース中盤から積極的に仕掛け先頭を引っ張る形に。ラスト1周まで先頭をキープしたが最後は海外選手のラストスパートに屈して5位という結果に終わった。

しかし、世界陸上という大きな舞台で30分56秒70という自己ベスト記録を叩き出し入賞という結果を残したのは称賛に値するだろう。

何より自分自身の力でレースを引っ張るという新谷選手らしい走りが見ていて気持ち良かった。

新谷選手ならもっと大きな事を成し遂げるかもしれないと多くの陸上ファンが思ったに違いないが、右足裏の故障によりレースから遠ざかり2014年1月に突如、現役を引退する事を発表。

衝撃を受けたファンも多かったように記憶している。

 

陸上選手からOL・性格

 

破天荒なイメージが強かったので引退後はTVなどへの露出が増えると思っていたが東京都内でOLをしていたと新谷選手本人が語っていた。

現役時代にテレビやラジオ出演した際は

・婚活の為に世界陸上に出場した

・イケメンで高身長の男性がタイプ

・陸上は大嫌い

などアスリートとは思えないような突拍子もない発言をする事も多かったが、レースに臨む際は極限まで身体を絞るな非常にストイックな部分があり自分にも厳しくONとOFFでかなり違って見えるのが特徴かもしれない。

 

5年ぶりに現役復帰

 

引退発表にも衝撃を受けたが昨年、2018年に現役復帰の話を聞いた時も同様に衝撃を受けた。

同年6月の日体大記録会が復帰レースとなった。所属は【NIKE TCC】

7月には【ホクレン・ディスタンスチャレンジ】5000mに出場し15分35秒19という記録でフィニッシュ。

徐々に調子を上げていった新谷選手は11月の【東日本女子駅伝】に東京チームのアンカーとして出場。

タスキをもらった時は先頭の長野と1分35秒差だったが8km過ぎにトップの長野を抜き去りそのまま1位でゴールを駆け抜けた。

新谷選手のタイムは31分08秒で、渋井陽子さんが持っていた区間記録31分11秒を18年ぶりに塗り替えるという快挙を達成。

新谷仁美完全復活を多くの陸上ファンに印象付けた。

年が変わり2019年に入ると京都で行われる【都道府県対抗女子駅伝】の東京チームのアンカーを任され7人抜きを達成。当然いった感じで区間賞を獲得した。

4月には【ドーハアジア選手権】10000mに出場し序盤から新谷選手らしくハイペースで引っ張ったが最後はバーレーンの選手に突き放され銀メダル。新谷選手自身は勝てると考えていたようでレース後は非常に悔しそうだったのが印象的だ。

 

現役復帰にあたり新谷選手はこのような事を話していた。

 

・誰にでも分かるよう結果で示したい。

・社会人として仕事で走っているので中途半端な事はしたくない。

・走る事は今でも大嫌いでストレスでしかない。

 

基本的には引退前と変わっていないように感じる。

前述の通り、以前から競技に対しストイックで走る事が大嫌いでも真面目に陸上と向き合っていたと思う。

ただ、当時は年齢も若く大きな怪我もあり精神的に目一杯だったのではなかろうか?

現在も右足裏の状態は万全ではないと思うが、年齢を重ね少し心に余裕を持てているように感じる。

 

世界陸上・東京オリンピック

 

今後は2019年9月の【世界陸上ドーハ大会】、2020年の【東京オリンピック】に出場し世界と戦う事が目標になると思うが以前より強くなった新谷選手を見られるのではないかという大きな期待をしている。

まずは世界陸上ドーハ大会に出場する為に2019年5月19日行われる陸上日本選手権10000mで結果を出さなければいけない。

鈴木亜由子選手鍋島莉奈選手松田瑞生選手山ノ内みなみ選手など強豪選手が多く出場するが新谷選手が本命と目されている。

レース展開はいたって単純でハイペースで引っ張る新谷選手がそのまま逃げ切るか、新谷選手に付いていった選手が食らい付いてラスト勝負で新谷選手をかわせるか。

キーポイントが対抗と目されている鈴木選手の位置取り。

近年の日本選手権10000mでは鈴木選手が引っ張る形となりラストで松田選手にかわされるという展開が続いている。今回の日本選手権では鈴木選手が新谷選手の直後に付けるのか集団の中で脚をためるのかで他の選手の動きも変ってきそうな気がしている。

とにかく楽しみなレース。

新谷選手、鈴木選手だけでなく他の有力選手にもチャンスはあるはず。

良いレースを期待したい。

 

追記:2019陸上日本選手権10000m結果

 

5月19日に行われた陸上日本選手権10000mで新谷選手は3位という結果におわった。

序盤は控え中盤から先頭を引っ張るという予想とは少し違う形になったが新谷選手なりに考えた戦法だったのだろう。

しかし、結果的には中途半端な形となり、後続を離し切る事はできずラストの切れ味勝負に敗れ3位。

今回の日本選手権で世界陸上10000m代表内定とはならなかったが選考条件の「参加標準記録を満たし2019年9月16日時点IAAFワールドランキングにおいて日本人上位の競技者」に引っ掛かるので代表に選ばれる可能性が高いだろう。

今回が万全の状態だったのかどうかは分からないが世界陸上本番では良い走りを見せてくれる事を期待したい。

 

ハーフマラソン日本新記録

 

2020年1月19日(日本時間)に行われたヒューストンハーフで新谷仁美選手が福士加代子選手の持つ1時間7分27秒を大幅に更新する1時間6分38秒の女子ハーフマラソン日本記録を樹立した。

宇賀地強選手(コニカミノルタ)の素晴らしいペースメイクもあり14年振りの記録更新。

最近のレース後は常々、「これでは世界で戦えない」とコメントを残していたが、この日は「日本記録を出せて嬉しい」と笑顔でコメント。

新谷選手にとって大事な五輪イヤーだが、先週の都道府県女子駅伝に続き素晴らしいスタートを切ったと言えるだろう。東京五輪代表になり活躍を期待したい。

今月16日には大阪国際女子マラソンのペースメーカーを12kmまで務める予定。

今度は宇賀地選手のように新谷選手に素晴らしいペースメイクをしてもらいたい。

 

長くなりましたが最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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