開催地の変更などもあり混乱している東京オリンピックのマラソンだが、札幌開催、周回コースで変則3周になる事は決定済み。
これまで、東京のコースを想定して練習に取り組んできた選手の事を思うと同情したくなるし個人的には周回コースは大嫌いで東京コースの方が日本人選手の力を存分に発揮できるのではないかと思っていたので非常に残念。
しかし、これは決まった事なので今更、何を言っても始まらないというのが現実。
ただ、一言。
橋本聖子と森喜朗は嫌いだと言わせ頂きたい。

MGCファイナルチャレンジ
2019年9月に行われたMGCで男女とも東京オリンピックマラソン代表2名決定。
残りの1枠を女子は【第39回大阪国際女子マラソン】、【名古屋ウィメンズマラソン2020】の2レースで2時間22分22秒の派遣設定タイムを上回った最速の選手が代表に内定。誰も派遣設定タイムを切れなかった場合はMGCで3位になった小原怜選手(天満屋)が代表に決まる。
もう一つの選考レースである【さいたま国際マラソン】は既に終えているが派遣設定タイムを上回る選手は現れなかった。
そもそも、クイーンズ駅伝と日程が近く、好記録を全く望めないさいたま国際マラソンは国内の強い選手が参加する事もないので開催意義があるのかどうかという疑問も残る。
第39回大阪国際女子マラソン
大阪国際女子マラソンにはMGC3位で選考レースを走らなくても代表に選出される可能性がある小原怜選手が参加を表明。本人的には自分が走らず代表を逃すと悔いが残るという事で参加を決意したようだ。
この他、世界陸上モスクワ大会女子マラソン銅メダルの福士加代子選手(ワコール)と派遣設定タイムの基準となる自己記録を持っている松田瑞生選手(ダイハツ)、世界陸上ドーハ大会女子マラソン7位入賞を果たした谷本観月選手(天満屋)などが招待選手となっている。
ペースメーカーの中には新谷仁美選手もおり高速でシッカリとしたペースメークをする態勢は整っている。(新谷選手は早い段階で役割を終える予定)
気象条件次第では派遣設定タイム突破の可能性もあると考えられるが、4選手の近況がおもわしくないのが気掛かりだ。
小原選手は先日の山陽ロードレースで先頭集団を走っていたが失速。
小原選手が好調であれば問題なく付いていけるペースだっただけに何かアクシデントがあったのか、それともナイーブな選手だけにメンタル面の問題があったのではないかと想像してしまう。
福士選手は実績も素晴らしくベテランになっても競技に前向きに取り組み非常に尊敬している選手だが、やはり年齢の壁のせいかスピードに陰りが見える。
松田選手はトラック、駅伝、マラソンと全てで精彩を欠いている。
軽い故障があったという噂もあるが腰が落ちた走りで、全体的に筋肉が走りの邪魔をしている印象さえある。
谷本選手はクイーンズ駅伝で本来の走りはできなかったが世界陸上を過酷な条件で完走し相当な疲れがあったのだろう。
疲れさえ取れていれば4選手の中で一番、状態は良さそう。
派遣設定タイムを突破する為には100%の状態で本番を迎える事が絶対条件だが今回の大阪国際女子マラソンにはテスファイ選手(エチオピア)、アセファ選手(エチオピア)、ベレテ選手(バーレン)、ジェプキルイ選手(ケニア)など強い海外招待選手がおり、彼女達に離されず後半も踏ん張る事ができれば突破の可能性も僅かながらだがあるだろう。
この他、派遣設定タイムとは関係ないが市民ランナーの山口遥選手(AC.KITA)にも注目だ。
11月の神戸マラソンでは自己ベストを大きく更新し2時間27分39秒で優勝。
年齢は32歳だが記録を更新し続けている最強の市民ランナー。
大阪国際女子マラソンでも自己記録を更新できれば日本人の中でも上位でフィニッシュする可能性もある。
話を元に戻すが正直、名古屋ウィメンズマラソンで派遣設定記録を突破する可能性があるのは一山麻緒選手だけだと個人的には考えているので大阪国際女子マラソンで派遣設定タイムを突破する選手が現れなければ小原選手と一山選手が代表の3枠目を争う事になるだろう。
大阪国際女子マラソンではレベルの高い争いを期待したいし、派遣設定タイムを突破できる可能性がある状況でレース後半を走っていて欲しいと思っている。