東京五輪マラソン競歩の札幌開催案について所属監督がコメント!!選手ファーストとは簡単なものではない!!

陸上

 

東京オリンピック開幕まで10か月を切った昨日10月16日、衝撃的なニュースが舞い込んできた。

なんと、東京オリンピックのマラソンと競歩を札幌で開催する考えがあると国際オリンピック連盟(IOC)が発表したのだ。

これに対し、東京都、札幌市、選手、関係者など様々な反応を示している。

 

酷暑の東京五輪は何故、秋開催にできないのか?

 

今回、札幌開催案が出たのは酷暑の中でマラソンや競歩を行うことで選手の体調面に大きな影響を及ぼすという考えからだ。特に先日、閉幕した世界陸上ドーハ大会のマラソンや競歩で多くの選手が棄権した事に危機感を覚えたからであろう。

選手ファーストと言えば聞こえはいいが、2020年の五輪開催地が東京に決まったのは2013年。

東京の夏の気温が上昇しているのは昨日、今日の話ではなく誰もが分かっていたことだ。

それでは何故、秋開催にしないのかという疑問が出てくる。

そもそも、IOCは7月15日~8月31日に収まるよう五輪開催の立候補都市に求めているからだ。

7月15日~8月31日に収めたい理由としては秋になると世界各国でスポーツ(サッカー、大リーグ、NFLなど)の佳境に入り、テレビ放送枠での争奪戦になってしまう。

夏であれば競合するスポーツが少なく放送枠を確保しやすいという理由があるのだ。

そもそも、アメリカは放映権の落札に1000億円を超える金額を使っておりアメリカ中心のオリンピックとなるのは避けようがない。

五輪の競技実施時間などもアメリカのゴールデンタイムになるべく合わせるようになっており、東京五輪だと競泳の決勝が午前中に実施されるなんていう話も耳にした。

「スポーツを商業的に悪用する事に反対」などとIOCは謳っているが、結局の所はお金で全てが決まっていると言っても過言ではない現実があるのだ。

今更、選手ファーストでマラソンと競歩の開催地を札幌に移すと言われても何の説得力もないと私は感じている。

 

東京都の負担

 

簡単に札幌移転案と言っているがこれまで準備してきた東京都やその関係者達の苦労はどうなるのだろうか?

時間的にも残り10か月で全ての事が上手くいくとは思えない。

そして、金銭的な負担はどうなる?

「これだけ無茶な案を出すならIOC側が金銭面の負担をしろ!!」という都民の声は当然であろう。

小池百合子都知事も「かなり、唐突な話だ」と不快感を示しているようだ。

今後、IOC側と話し合いの場を持つようだが、最終的な判断がどのようになるのか非常に気になるところ。

あくまでも個人的な意見だが日本が東京がなめられているとさえ感じるので、IOCの言いなりになるような結果だけは避けてもらいたい。

この他、チケットを購入した方や宿泊施設を予約した方なども気の毒でならない。

 

東京と札幌の気温の違い

 

気象庁が発表している2019年8月の東京都の平均気温が28.4℃。札幌市の平均気温は22.5℃となっている。

近年は北海道でも30℃を超える日が以前に比べると増え、マラソンと競歩が実施される日が東京より気温が低いとは断言できないが平均気温だけを見ると5℃以上の違いがあるようだ。

湿度についても札幌のほうが若干、低く選手にとっては東京よりは走りやすいのかもしれない。

ただし、札幌でマラソンや競歩を実施するのが選手ファーストかと言えば、そうとも言い切れないと私は思っている。

マラソンを例に挙げると、東京五輪とほぼ同じコースで9月15日に開催された東京五輪代表選考レースMGCで内定を勝ち取った選手はどう思うだろうか?

MGCは東京五輪に近い条件でレースを実施し、五輪本番で力を発揮してくれる可能性が高い選手を選考する為のレースだった。

当然、MGCに出場した選手は暑さ対策の為に様々な対策や努力をしてきただろう。

それが、急に東京より気温が低い札幌でマラソンを実施すると言われて、気分の良い選手はいないはずだ。

 

各監督、指導者のコメント

 

東京五輪マラソン代表内定選手が所属する実業団の監督たちはこのようなコメントを残している。

 

服部勇馬選手が所属する、トヨタ自動車の佐藤敏信監督。

「まさか代表選考レースをやり直すことはないですよね」

「本当に変更するなら早く決めてほしい。準備が全く変わる。戦い方も全く変わる。気温が4~5度、低くなるなら当然、ペースは上がる。耐久性よりスピードが求められる。本番と同じコースのMGCで真剣勝負を経験したメリットもなくなってしまうことは残念だが、服部は実力がついてきているので、対応していくしかない」

引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191016-00000273-sph-spo

 

中村匠吾選手の駒澤大学の監督で現在も中村選手を指導する大八木弘明監督。

「東京でやってほしい。選考会も東京で開催できたし、暑さに対応するため、科学委員会なども全力でサポートしてくれている。北海道で開催するなら、北海道で一番暑い士別でやってほしい」

引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191016-00000275-sph-spo

 

前田穂南選手が所属する天満屋の武富豊監督。

「何の話も聞いていなかった。東京オリンピックが決まってから、日本陸連として8月に合わせて合宿を行ってくるなど東京でのレースに向けて準備をしてきた。また、9月の代表選考レース、MGCを全力で走って代表になったアドバンテージもある。『えっ』という気持ちと『いまさら』という感じで現場としては困惑している」

引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191016/k10012135181000.html?utm_int=news-sports_contents_list-items_016

 

鈴木亜由子選手が所属する日本郵政グループの高橋昌彦監督。

「もともと暑い時期で大丈夫かと思っていたが、ドーハの世界選手権の厳しい状況を見て、今になって運営側が危機感を感じたのではないか。こちらとしては自分の選手が大丈夫だとしても、ほかの選手がバタバタ倒れるのはスポーツにとっていいとは言えない」

「9月の代表選考レース・MGCで東京のコースの対策を練り、日本のアドバンテージだと思っていたのでそれがなくなるのは残念だが、暑熱対策など今までやってきたものがむだになるわけではない。鈴木は札幌で行われた北海道マラソンも経験しているので、コースの変更が決まれば、頭を切り替えてやるしかない」

引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191016/k10012135181000.html?utm_int=news-sports_contents_list-items_016

 

指導者のコメントを載せたが、選手もほぼ同じ気持ちなのではないだろうか?

酷暑を避けるのは選手ファーストなのかもしれないが、土壇場で開催地を変えられる事で更に苦労するのは日本代表選手である事も忘れてはならない。

この件は端的に見て意見を言えるようなものでもなく、夏場に東京でオリンピックを開催するという常軌を逸した判断が招いた問題だ。

選手の健康面の事だけを考えたら少しでも涼しい所でやろうとするのは当然だ。

しかし、準備してきた関係者や選手の事を考えれば、そう単純なものではない。

無理だとは思うがIOCが今後、五輪の開催時期を再考したり開催地を決めるにあたってあらゆるリスクを考えて決定してもらいたいものだ。

お金が一番になっている今のオリンピックに未来はないように思える。

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