W杯フランス大会、第3戦でイングランドに0-2で敗れたなでしこJAPANは勝ち点4でグループD 2位で決勝トーナメントに進出。
決勝トーナメント初戦はグループE 1位との対戦で勝ち点6で並んでいたオランダとカナダの対戦はオランダが勝利し、日本の対戦相手はオランダに決まった。
普段、女子サッカーを見ない方にとってはオランダと聞いてもピンとこないだろうが非常に強いチームだ。
今回はサッカー女子オランダ代表がどのようなチームか紹介していこうと思う。
女子オランダ代表の歴史
近年の女子サッカーは欧州勢が力を付けており、その中でも急激に力を付けてきているのがオランダ代表だ。
女子サッカーのW杯は今回の【フランスW杯】を除き計7回開催されているが、オランダ代表は前回のカナダ大会が初出場だった。ちなみにカナダ大会では予選リーグを見事突破しベスト16に進出している。
また、オリンピックの出場は無く強豪国と呼ばれるようなチームではなかった。
しかし、2017年の【UEFA女子選手権】は地元開催でオランダ代表は初優勝を飾っている。
フランス、ドイツ、イングランド、スペインなど強豪ひしめく欧州で勝ち抜く事はまぐれなどでは不可能だろう。
現在のFIFAランクは日本に次ぐ8位となっており、互角以上の相手だと思って戦わないといけないだろう。
オランダ代表のサッカースタイル
実はなでしこJAPANとオランダは前回の【W杯カナダ大会】の決勝トーナメント初戦で戦っている。
その時は日本が終始ペースを掴み2-1でオランダを下している。
しかし、2018年の【アルガルベカップ】では立場が逆転してしまった。
その時の結果をご存知だろうか?
なでしこJAPANはオランダに好き放題やられ2-6という目を覆いたくなるようなスコアで敗れている。スコアだけでなく内容自体も目を覆いたくなるようなものだった。
当時は世代交代が始まったばかりで、まだ代表の骨格が固まっておらず選手を試しながらの戦いではあったが、あまりに酷い内容に絶望を感じた事を思い出す。
アルガルベカップ当時のオランダ代表の印象はサイドにスピードのある選手を揃え、日本のサイドを何度となく突破していたのが強烈に印象に残っている。当然、パワーも兼備しており、なでしこJAPANが一番、苦手とするスタイルのチームだった。
そして、今大会のオランダ代表はというとグループEを3連勝、勝ち点9で首位通過している。間違いなく強いチームだ。
なでしこJAPANはオランダに勝てるのか?
まず注意すべきは前線の3人。
エースストライカーのミデマー選手。右サイドのファンデサンデン選手。左サイドのマルテンス選手だ。
9番ミデマー選手はスピード、高さ、技術、決定力の全てを兼ね備えた今大会でもトップクラスのストライカー。
7番ファンデサンデン選手はとにかく破壊的なスピードがあり、まず日本人選手がスピードで対抗する事は不可能な選手だ。
11番マルテンス選手も高さとスピードがあり強烈なミドルシュートを持っている。
オランダ代表は人数を掛けずともこの3人だけでゴールまで持って行く事が可能なチームだと理解しておいた方が良い。
この3人に加え、途中出場の可能性が高い21番エレンスタイン選手にも触れておきたい。
非常にスピードがありドリブルの上手い選手だ。今大会はVARシステムが採用されているので特にペナルティーエリア内でのプレーには気を付けたい。後半の疲れが出始める時間帯に投入されると厄介な選手だ。
ここまでを読むと日本代表がオランダ代表に勝つチャンスはあるのかという疑問が湧くと思うが、可能性は決して0ではない。
オランダ代表はグループリーグを3連勝しているが初戦のニュージーランド戦は相手に何度も決定機を作られ、後半のアディショナルタイムのゴールで薄氷の勝利を収めた。
カメルーン戦やカナダ戦も押し込まれる場面が多く、3連勝と言えども簡単な試合は一つも無かった。
ハッキリ言おう!!
オランダの弱点はセンターバックだ。足もとの技術もあまりなく、スピードも前線の選手に比べれば劣る。そしてバックライン全体の統率もできていない。
グループステージで押し込まれた場面はセンターバックの裏にロングパスを出された時と、センタバック相手にドリブルで仕掛けられた時が多かった。
スピードとパワーを兼備し個の力はあるが組織力は無い。
日本のセンターバックが連携を深め、グループステージで犯したミスを絶対にしないというのが条件だが、しっかり相手の攻撃を封じ最少失点で我慢していればチャンスはあるはず。
今まであまりやらなかった相手ディフェンダーの裏に長いパスを放り込む意識を持っておいた方がいいだろう。
そしてサイドからだけでなく中央でドリブルを仕掛けたり、ワンツーを使うなの素早いパス回しも必要だ。
恵まれた組み合わせ?
決勝トーナメント進出を決めたチームに弱いチームなど存在しないのは百も承知だが、その中では日本の入った島は恵まれていると感じる。
そして、怪我人の多い日本にとって次の試合まで5日間空くというのは回復する可能性も高まるとあって喜ばしい事だ。
開催国にして優勝候補のフランスが反対側の島にいるのも有難い。
そして、オランダに勝った場合にはイタリアか中国の勝者とベスト8で戦う事になるが勝利の可能性も十分にあるだろう。
あまり先の事を書くのは良くないし、次のオランダ代表には100%の力を発揮しないと間違いなく負ける。
この5日間を有効に使い、心身ともにベストの状態で決勝トーナメント初戦を迎えてくれる事を願っている。
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